
ごきげんいかが?NAOです。
子どものころにTVで初めて見て以来、今日まで何十年とずーっと印象が変わらない。いや、むしろ最近ますますパワフルになっている。
それは黒柳徹子さんのこと。2018年8月9日で御年85歳になる、いわば「おばあちゃま」。
けれども、「おばあちゃま」と見るには個人的に違和感しかない。「みんなのお母さん」とか「となりのお姉さん」とも違う。年齢とか国籍とかを飛び越えた「魔法使い」という感覚がしっくりくる。その名も“Happy”!
ご自身よりずーーっと年下の女性がターゲットになっている雑誌の表紙やページを飾っていても、違和感どころか「あ、インタビュー記事読みたい!」と思ってしまうから不思議。
それは、見ているだけで元気になるし、思わず笑顔になるから。徹子さんの言葉を聞きたい!と思ってしまう。“Happy”を分けてもらえそうと思ってしまう。
◇読んでいて元気が出た『トットひとり』黒柳徹子 (著)
黒柳徹子の“らしさ”とは?言葉でみるオーラの秘密
気長になさいませ!
「やんちゃ」すら感じる底抜けに明るい雰囲気なのに、そこはかとなくエレガンスが漂う。正直でストレートなもの言いなのに、トゲがなくて愛がある。
「品」と「奔放さ」が稀有にも同居する徹子さん。
小さいころからTV番組『ふしぎ発見!』や『徹子の部屋』で見慣れていたけれど、黒柳徹子その人がすごく気になりだしのは大人になってから。
それで読んだのが、2015年に発行された著書『トットひとり』だった。
向田邦子さんや渥美清さん、宮沢りえさんなど華やかな有名人との感動メモワールが、これでもかと詰め込まれている。
その中でもお気に入りの項目『徹子のヘア』にあった一言に、徹子さんの“らしさ”の秘密があるような気がした。
(…)それにしても、「徹子ヘア」のブームが、いま起こってるとすると、ブームによっては、何十年もたってから起きるのだ。何かブームを起こしたい方に、
「気長になさいませ!」
と、伝えたい気がする。
(…)ヘアスタイルでもパンダでも、私は自分から、注目して下さい、と宣伝した事は一度もない。それが、三十年くらいかかるにしても、思ってもみない時に陽の目を見るのは、面白いなあと思う。
徹子さんのトレードマークでもある「タマネギヘア」は、洋服でも着物でも合うという合理性、アメをしまっておける利便性、「徹子の部屋」でいつもゲストの話に集中してほしいという周りへの配慮などから生まれたスタイルだ。
このヘアスタイルの話に象徴されるように、徹子さんのスタイルはとても考え抜かれているけれど、「自己中心的なウケ狙いが一切ない。物欲しそうなところが一切ない。むしろ、考え抜かれているのは、周りの人々や視聴者に対して。
だから見ていて気持ちいいし、何世代にもわたって支持されているのかもしれない。
だって、私、好きだからなの。
徹子さんの発言や行動に触れて、なにか温かい気持ちになるのは、ベースに人や物に対する愛情があるからだと思う。ユニセフ親善大使も長年務めてらっしゃるいらっしゃるけれど、分け隔ての無い愛情が、たくさんの人々の心を動かすのだと思う。
『トットひとり』にある項目「ある喜劇女優の死」のエピソードにもじんわりときた。
末期がんであるにもかかわらず、どこ吹く風と周りに対して気丈にふるまっていた女優の賀原夏子さんと、徹子さんのやり取りが心に残る。
(…)次の日、私は自分の洋服の中から見つくろって、冬用の厚手で、しかも軽く、賀原さんの「やせちゃってさ、隠すのが大変!」と言った体を隠せるような、ジャケットやパンツを何枚か探してNLTに届けた。賀原さんからすぐ電話があった。
「ねえ、どうして、こんなに親切にしてくれるの?」
言葉につまった私は、
「だって、私、賀原さんのこと、好きだからなの」
それしか、言えなかった。
激痛に耐え、意識が遠のきながらも、死ぬ1ヵ月前まで舞台に出たという賀原さん。周りに甘えることのない人だったらしいけれど、いつも心を開いて優しくしてくれる徹子さんは、ちょっと特別だったのかもしれない。
(…)この日、私は賀原さんに頼まれて、マカロニ・グラタンを持って行く約束だった。前の晩、賀原さんから電話があった。それは私が、お腹が膨れても大丈夫な寝巻や、毛がつっ立ってたので、奇麗な、いろんな色のヘアバンドを、ナースステーションに届けた事へのお礼だった。
「どうして、こんなに親切にしてくれるの?ねえ、明日、マカロニ・グラタン忘れないでね!」
はじめて聞く賀原さんの少し甘えたような声だった。その声は、いまでも、なつかしく私の耳の奥に残っている。
インスタグラムの投稿にも、徹子さんの優しさと強さを感じる。自分が納得できる思考で、納得できる行動を積み上げられる信念の人!
https://www.instagram.com/p/BcCXLAnFy26/?taken-by=tetsukokuroyanagi
(…)NHKの研修時代に、先輩の俳優が、私達研修生を集めて「いいか、覚えとけ。蹴落とさねえ奴は、蹴落とされるんだ」と、言われました。
それを、聞いて、私は、1リハ(第1リハーサル室)の壁を蹴って、泣いた。
絵本を上手に読んであげられるお母さんになりたくて、NHKの試験を受けたのに、
そんな、人を蹴落とさなきゃ、やれない仕事なんて絶対に嫌だ!
私は、人を蹴落としたりなんかしない。
そんな事までして、女優になんかなりたくない!
そう、思った。
それから、63年間。
私は、ここまでやってきました。
考えてみると、自覚はしなくても、誰かを蹴落として、ここまで、やって来たのかもしれないのです。
でも、少なくとも、私は、誰かを蹴落とそうなんて、思わないで、ここまで、仕事をして来れたことに、感謝しています。
もちろん、インパクトある唯一無二のビジュアルや、博識などというのも当然“らしさ”の秘密ではあると思う。
けれども、徹子さんが長く輝き続けている理由は、なにより内面が美しくて強いから。あ、あと、若い世代の人たちと難なく掛け合える柔軟さも!
とにかく、やっぱり、徹子さんは“Happy”という魔法の粉を振りかけてくれる「魔法使い」だと思う。
唯一無二のビジュアル×知性×内面の強さ・美しさ=最強
徹子さん、いつまでもどうぞお元気で!!!
それでは、ごきげんよろしく!