ごきげんいかが?NAOです。
コロナの影響で外出自粛の要請が続く中、「コロナ離婚」という言葉がじわり広がり始めているみたいですね。家族と家にいる時間が増えたことで、夫婦関係がギクシャクしている家庭も増えているとか。
先日、あさイチ特集「新型コロナで夫婦の危機?!」を見て、納得できる意見もチラホラ。在宅ワークで、通勤がなくなるなどして自由に動ける時間が増えているにもかかわらず、パートナーが家事や育児の一つも手伝わないとなると、さすがにストレスMAXです。。
そういうわが家の夫婦関係は、良好です。じゃあ、「どうしてうちは、10年ちかくずっと夫婦関係が良好なのか?」と考えるきっかけになったので、その理由を自分なりに分析してみました。
「適度な距離感」とか、「『未来』がテーマの家族会議が多い」とか、いろいろ思い当たる要素はあります。その中で、「なにそれ!?」と友人らに面白がられたり呆れられたりするのが、わが家の「チャーミー」の話。すっごく個人的な話で恥ずかしいですが、誰かの家族の関係が、ちょっとでもストレスフリーになればいいなと。
◆ Contents ◆
アイドルにして究極の汚れ役
チャーミーは、ネコの抱き枕です。
すっとぼけた愛らしい顔、自立で座ることができる大きめのヒップ、なぜか体に付いてるポッケ…。特徴は、そんなところです。
このかわいらしさには、たしかに癒し効果があります。
けれども、わが家でチャーミーの存在が欠かせないのは、それだけではありません。
わが家でチャーミーは、「アイドルにして究極の汚れ役」。大切な存在ですが、ものすごくあわれなネコでもあります。ある意味、真のヒーローと言えるかと。
日々のせめぎあいを一手に引き受ける
夫婦関係が良好といっても、日々のせめぎ合いはもちろんあります。
どれも、本当にささいなことばかりです。
「ねぇ、入浴剤使って無くなってたら、ちゃんと補充しといてよ」、「買ってくるもの事前にリストアップしておいてって言ったのに」、「乾電池をトレ―容器のゴミ箱に入れたのダレ!?」、「この雑誌、いつまで出しっぱなしなの?」……etc.
あぁ、小っちゃくて書いていて恥ずかしい。でも、どの家庭もリアルなやり取りだったりするのではないでしょうか。
こうした日々の煩わしいやり取りやイライラを、チャーミーは一手に引き受けてくれます。
A:「ねぇ、入浴剤使って無くなってたら、ちゃんと補充しといてよ」
B:「それチャーミーじゃない!?ちゃんと補充しといてって言ったのに」
A:「またチャーミー?ほんと使えないニャンコ!」
ひどい。
A:「買ってくるもの事前にリストアップしておいてって言ったのに」
B:「え、伝わってないの?チャーミーに言っといたのに。ちゃんと注意しとくわ!」
ひどすぎる…!
A:「乾電池をトレ―容器のゴミ箱に入れたのダレ!?」
B:「え、そんなところに入ってた!? ごめ…、いやそんなことするのチャーミーくらいでしょ!」
かわいそうに…。。
A:「この雑誌、いつまで出しっぱなしなの?」
B:「あ、なんかチャーミーがあとで爪研ぎするから置いといてって」
泣ける…。こんなアンバイで、濡れ衣にもほどがあります。。
チャーミーには本当に申し訳ない。けれども、これがけっこう日々の夫婦仲を穏やかにしてくれている大きな要因じゃないか、と大マジメに感じています。
文句や愚痴を言われる側(B)は、さも自分は悪くない(あきらかにBのせいなんだけど)というテイで悪態をかわす。内心では素直に反省しつつ、心苦しさが救われる。
文句や愚痴を言う側(A)は、チャーミーのあの可愛くるしい顔を思い浮かべて「まったくしょうがないな」とイライラが減退、あるいは、「まったくチャーミーは!」とチャーミーに怒りの矛先を向けることでスッキリしたり、「ささいなことよね」とくだらなくなる。
総じて、険悪なムードやピリピリした空気をわりと回避できるのです。
マジメな場面でも救世主
日々のささいなせめぎ合いはもちろん、わりとマジメな場面でも、チャーミーは欠かせません。
もちろん、自分に明らかな落ち度があって相手が本気で怒っている場合、チャーミーを出すとむしろ逆効果です。相手の怒りに対して、火に油を注ぎかねません。
A:「どうしてこんなことしたの?」
B:「チャーミーが間違ってやったみたい…」
A:「ふざけるな!」
本当に大事な場面では、ちゃんと空気を読んで潔く謝らないと状況は悪化します。
でも、相手が素直に謝ったとき、謝られた側(A)って、よほどのことじゃないかぎりわりと余裕が出てくるものです。そういうときには、気持ちの切り替えを後押しする手段として、積極的にチャーミーに活躍してもらいます。
A:「どうしてこんなことしたの?」
B:「それ、本当にごめん!うっかり間違って…」
A:「まったく…。どうせまたチャーミーの仕業でしょ」
B:「そ、そ、そうかもしれない…」
チャーミーのおかげで空気がふと軽くなって、怒った側も、謝った側も、なんだか救われるんです。
夫婦をとり持つサンドバッグをつくる
わが家には、チャーミーのほかにも仲間(という名のぬいぐるみ)がたくさんいます。
何でもいいのですが、「夫婦の会話のサンドバッグ」を担う存在があるって、けっこう重要かと。
怒りやストレスの矛先が、ダイレクトに人や動物に向かわない工夫、ちょっと逸れる工夫があることで、夫婦関係だいぶ助かってるな~と長年実感しております。
ちなみに…イギリス人の秘密
ちなみに、わが家ではチャーミー含めて仲間たちに、よく話しかけています。大の大人が、ちょっと怪しいわよね。。我ながらそう思ってました(笑)。
でも、雑誌『AGORA』に掲載されていた記事「イギリス人の秘密」を読んで、妙に腑に落ちたんです。
もしあなたが立派に成人しているイギリス人の家に招かれ、彼らが古びたクマのぬいぐるみを大切に持っていることに気づいても、驚かないでほしい。
【中略】イギリス全土をカバーしているホテル・チェーンが8年前に行った調査で、6000人のイギリス人のうち約三分の一が旅先に自分のテディベアを伴っていることが分かり話題になったことがある。
イギリスでは子どもが生まれるとすぐ、両親や親族、近い友人からテディベアをプレゼントされることが慣習となっていて、多くの幼稚園や小学校では「自分のテディベアを連れてくる日」があることからも、その存在が当然と思われていることが分かる。
子どもたちはベアと遊び、話し、共に眠る。ときには親や親友にも言えない悲しみや喜びを打ち明け、ぎゅっと抱きしめる。こうして成長したイギリス人にとって、テディベアはある意味誰よりも身近な存在だ。
【中略】今でも一緒に寝ているという30代後半の女性は「自分の全財産がスーツケース1個になっても、この子だけは連れていく」とはにかみの表情をみせるが、その理由についてははっきりと語りたがらない。
テディベアには、確かに癒し効果はある。触れたりハグしたりすることでストレス・レベルを下げることが複数の研究から証明済みだ。心理療法士の知り合いは「私たちイギリス人は犬との関係をとても大切にしますが、ストレスの多い環境で育った人は特にペットやぬいぐるみを好むものです」と分析する。
イギリス人は、感情をあらわにしない国民性であることはよく知られている。真の感情をぶつけてきたテディベアは、彼らにとっていうなれば痛みを分けた分身だ。身近なテディベアを持つことは年齢とは関係ない。それはいつも心の奥深くにいる、子どものままの自分自身だから。
『AGORA』(2018年6月号)より抜粋
わが家にとってのチャーミーと、イギリス人にとってのテディベアは位置づけが若干ちがうけれど、癒しであり欠かせない存在というのは同じ。
チャーミーたちの存在の大きさを、改めて感じずにはいられませんでした。
ストレスの溜まりやすい状況ではありますが、「ごきげん」を死守する工夫は周りにどんどんシェアしていきましょう!
それでは、ごきげんよろしく!